大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

福岡高等裁判所 昭和26年(う)2083号 判決

原審第四回公判調書と原判決の記載とを対照するときは原審において弁護人から被告人が保有米を控除した残量のみを供出し割当数量と右供出量との差額の供出をしなかつたのは緊急避難行為であり又右差額の供出をもなすことは所謂期待可能性がない旨主張したのに対し原判決はその文意必づしも明瞭ではないが結局右主張に係る事由はそれ自体法律上犯罪の成立を阻却する事由に該当しないとの見解に基き之に対し何等の判断をもしていないものと解するを相当とする。

しかしながら右主張は一応法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の減免の理由となる事実の主張たる形式を具えているのであるから刑事訴訟法第三百三十五条第二項により之に対する判断を為すべきである。然らば原判決には判決に影響を及ぼすこと明かな手続法違背の違法があるものと云うべく、論旨は理由がある。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!